最近ネットニュースなどでたまに見かける人口エラ「TRITON(トリトン)」ってご存知ですか?
これを咥えて潜るだけでタンク無しで45分間水中で呼吸が出来るというものです。
とはいえこれはまだ開発段階、実現はするのでしょうか?
実現したとしてスペックとしては最大水深は15フィート(約4.6m)に45分なので、
ダイビング業界としてはホッとする感じですね(;^ω^)
メカニズムとしてはホローファイバーと呼ばれる水分子より小さな穴の空いた繊維を使用し、
これが自動的にに水中の酸素を取り出す仕組みみたいですね。
ここで理系の血が騒ぐ(笑)
そんな事は本当に可能なのか?というよりは人間の呼吸に耐えうるだけの酸素を取り出せるのか?
と個人的には思ってしまいます。
人間の呼吸量は1回につき約500ml。
空気の構成として酸素は約21%、そのうち呼吸に使用されている酸素は約5%です。
つまり1回の呼吸で使用される酸素量は25mlです。
細かい計算は置いておいて、ここから計算すると人間の1回の呼吸量に必要な酸素を取り出すには、
約6リットルの水分が必要になってきます。
人間の呼吸数は1分間に約15回(安静時)なので、
1分間に約90リットルの水分から酸素を取り出さなくてはいけなくなります。
安静時で90リットルですよ!潜って泳いでいたらそれより増えるのは確実ですよね。
実際にこの人口エラを使用している時に1分間に90リットルの水が
この機械を咥えている口元を流れるのだとしたら・・・
とてもじゃないけど咥えていられない気がします・・・
物凄いドリフトダイビングでもしていないと90リットルの新鮮な水分が口元に供給されるとは思えません。
さらにもう一つ、酸素中毒の危険性がとても高いと思います。
呼吸中の酸素分圧は1.4気圧以下でないと酸素中毒を起こします。
(詳しくはエンリッチドエアSPでやりますよ!)
最大水深4.6mでは非常に危険ですね!
ましてや気付かないで5mを超えてしまったなんて事故も容易に想像できますよね。
と、ここまで書いていて否定的な事ばかり書いてきてしまいましたが、
本当は早く開発されるといいなーと思っています。(本当ですよ!)
だってその技術がダイビングに応用出来たら、もっともっとダイビング人口が増えるはずですから!
重い器材から解放されるかもしれないし、器材のお値段もグッと下がるかもしれないですしね(^^♪
でもやっぱりきちんとした資格として整備し、事故を未然に防ぐという事は無くならないと思います。
それが私達インストラクターの仕事ですから!
という訳で職は失わずに済みそうですね(・´з`・)
今回の内容はあくまで個人的見解ですので、間違いがあるかもしれません。
気分を害された方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。
でも本当に少しでも早く実現するように期待しております!!
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